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アラン柄とは②

投稿日:2019年9月4日 カテゴリー:【ニット】


「ケルズの書」 8世紀に制作された聖書の手写本。世界で最も美しい本とも呼ばれる。

縄編み(おさげ編み)や鋼、またアラン編みの組み合わせやデザイン等が、ケルト民族の石の十字と、アイルランドの修道士の彩色写本の両方で見られることから、互いに何らかのつながりが考えられます。歴史家ハインツ・エドガー・キーウィ氏が語ったところによると、西暦820年に書かれた「ケルズの書(The Book Of Kells)」には、聖ダニエルがアラン模様の靴下、半ズボン、セーターを着ていたと記述されています。しかし、古い時代の編物の衣類が殆ど残っておらず、厳密な起源や模様の意味を確定することは不可能なことです。実際、最初に「アラン」セーターだと思われるものを、ハインツ・キーウィ氏がダブリンで発見したのは、1930年代のことです。彼はその著「編物の宗教史」の中で、発見したセーターのことを「言葉で表現すると奇妙になるのだが、板のように堅く、コプト教の司祭のシャツにしては形がはっきりせず、全体にストーンヘッジのような雰囲気を漂わせている」と述べています。彼はこれを、後にこのセーターの模様の一つを、自著「模様編集」に掲載したメリー・トマスに見せたところ、彼女は「アラン島の古いもので、島の漁師が着たものでしょう」ということでした。残念なことに、現在このセーターは残っていません。ダブリンにある国立博物館にアイルランド編物の一連のコレクションがりますが、1937年から始まり、これより年代の古い衣類は含まれていません。アラン模様が一説に言われるほど古いものであるかどうかはさておき、1930年代に再発見され、この地域に再び伝えられ紹介されたという事だけは明言できます。現在では島の民芸的な編物の重要な部分になり、今日最も良く知られた特徴のある編物のスタイルの一つです。

③に続く